心療内科豆知識ナビ
心身症と周辺疾患
内分泌代謝系
内分泌代謝の疾患のうち、心身症がよくみられる、或いは心療内科的診療が望ましいものとして、糖尿病と肥満症が、代表的な疾患として挙げられます。他にも、バセドゥ病や心因性多飲症などがよく知られていますが、本稿では糖尿病と肥満症を取り上げて説明します。
近年、糖尿病患者が増えているのは、美食や運動不足のためばかりでなく心理的ストレスの多い現代社会の環境が誘因として作用する可能性が推察されます。心理的ストレスが、糖尿病の第一義的な病因として意味を持つ、とまでは言えないにしても、発病後の経過や、予後に影響力をもつことには異論がないでしょう。
むしろ症状の変化は生活上のストレスの結果とも言え、心理テストによって予後の判定がある程度可能なほど関係があります。心療内科的治療としては、患者の心理や社会的な状態を理解し、病気に対する受け取め方を変えたり、食事などの生活指導についても心理面を主体に行うことになります。治療対象は糖尿病だけでなく、日常生活で心身両面からセルフコントロールができるようになるのが、心療内科的治療の目指すところです。
肥満の主な病因として、まず挙げられるのは過食です。元々摂食には欲求不満を解消したり、不安を鎮めたりする作用がありますから、過食によって肥満を引き起こす背景には心理的、社会的な因子が隠れていると考えられます。治療法としては、近年は行動療法が注目されています。
常に身近な場所に食物を置き、テレビを見ながら食べる習慣があり、食べるのが早いので過剰に食べる、という患者の食生活の特徴を逆手にとって、決まった場所で定めた時にのみ、ゆっくり味わって食べ、テレビと摂食を切り離す、など摂食行動のあり方を指導することで好結果を挙げています。このような治療で成果を上げた患者は、長期的にも予後が良いようです。