心療内科豆知識ナビ
心身症と周辺疾患
消化器系
精神的ストレスと胃腸の働きには密接な関係があるとされ、消化器系の病気は、心理的な要因が深く関っていることが比較的多いと言われます。消化器系の心身症としては、過敏性腸症候群、胃潰瘍などがよく知られています。
過敏性腸症候群は、腸に炎症や潰瘍などの異常がないにもかかわらず、腹痛や下痢が頻繁に起きたり、交互に下痢と便秘を繰り返したりする腸の機能的な疾患です。
主な特徴は、精神的ストレス等による下痢や便秘といった便通異常で、特に登校や出勤時、電車に乗るなどの緊張がある場面で症状が出やすいため、引きこもりがちになってしまうことがあります。日本人には、このような傾向を持つ人が比較的多いと言われています。また、腹にガスが溜まるガス型やゲップも、過敏性腸症候群の症状とされています。
胃潰瘍の潰瘍とは、体の組織の表面が崩れたり爛れたりして、内部の組織にまで傷が及ぶことを言います。どうして胃の中が爛れるかと言うと、胃液で胃の表面が溶かされて傷つけられるからです。正常なら食物が胃に入ると胃液が分泌され、空腹時は胃液は出ないはずが、心身のリラックスができず強い精神的ストレスが長期間持続すると、胃液の分泌を促す迷走神経がストレスで刺激され、空腹でも胃液の分泌を促してしまいます。
本来は食物を溶かす胃液ですが、胃の中は空なので粘膜を攻撃する結果になります。また胃粘膜を保護している粘液の分泌は、ストレスによる刺激で減ってしまいます。だから胃潰瘍の治療にはまずストレスを溜めない、ストレスを減らす工夫が必要となります。