心療内科豆知識ナビ
心療内科と受診科
心療内科とストレス
ストレス社会と言われて久しいですが、人が持てる能力を十分に発揮して成果を上げるためには、適度なストレスは必要と言われます。我々の能力は、適度なストレスによって伸びるものです。しかし過度のストレスが、心身症の主因となったり、精神疾患を引き起こすことはよくあることです。
強いストレスが心や体の負担になっているとき、原因を根本的に取り除くためには、ストレスを前向きに捉えて、むしろストレスの圧力や緊張を活かすように気持ちを切り替えることが必要です。なぜなら、自分の見方、考え方、状況の捉え方がストレスを作っているからです。
例えば、人間関係における不満や怒り、仕事上の不安や落ちこみなどがストレスになっているとして、同じ状況でもそれを負担に感じてしまう人と、特に負担に感じない人がいます。ですから、ストレスの元になっている出来事や状況を取り除けば解決するというものではないのです。恐らく、そういった要因を一旦は取り除けても、自分自身が変わらなければ、結局新たな不満や怒り、不安や落ちこみで苦しむことになるでしょう。
とはいえ、実際には気持ちの切り替えだけで、ストレスによる負担を解消するのは困難で、皆それが出来ないから悩んでいるとも言えます。そんなときは、やはり環境を変えてみるのも一つの策です。ただし、それは環境が変われば自分自身を含めて状況も変えられそうだと思ったときに、そのきっかけとして環境を変えるのです。環境だけが変わっても、新たな不満や怒り、不安や落ちこみは、また現れますから、自分自身を含めた状況を変えることが肝心なのです。
自分自身を含めた状況を変えるには、薬で周囲への反応の感度を下げる、休養して物事を前向きに捉えるようにする、リラックス法を身につける、人に相談して負担感を軽減させる、など様々な方法が考えられます。己をよく知る、ということも重要で、最終的には自分らしさを生かせるような生き方ができれば、ストレスも前向きに活かせるようになるでしょう。心療内科医は、そのような方法を様々に提示し、実践する手助けを通じて、患者の負担を軽減するよう図ります。しかし、治療の主体は患者であり、心療内科医はあくまでサポートをする立場であるということが重要です。