心療内科豆知識ナビ

心と身体のつながり

心身医学

心の状態が身体の状態に与える影響について、各方面から研究が進められています。例えば、笑いやストレスが免疫状態に影響を与える、という報告や、末期がんの患者にカウンセリング治療を行うと、平均生存期間の延長や生活の質の向上に効果があるという報告などがなされています。このように患者の身体面だけではなく心理面や社会面を含めて人間を統合的に診ていこうとする医学の一分野を、心身医学と言います。

例えば、仕事によるストレスが原因で胃潰瘍になった、などという話を耳にすることがありますが、その場合ストレスだけでなく元々の体質や生活習慣なども要因となっている可能性もあるでしょう。

実際にはストレスそのものよりも、食生活の乱れや睡眠不足、コーヒーの飲み過ぎなどで胃壁が荒れたのかも知れません。このような場合は、考えられる様々な要因全体をみながら、一つ一つの要素を検討していく、というアプローチが必要となります。

つまり、互いに関係しあっている体質や生活習慣、食生活、ストレス、行動パターンなどの要因と、病態を一つの体系と捉えて、その関係性を評価しつつ全体を望ましい方向に持っていくという考え方が重要となります。

心身医学では近年、身体面、心理面、社会面、それぞれの相互作用について、様々な研究成果を基盤とした診療システムが確立される方向にあります。心身症の対象は臨床医学全般にわたっており、扱う疾患は数多くありますが、いずれの心身症に対する治療も、このように心身両面から行われることになります。